あまくて にがい

「好き」って言って 他に何もいらないから

舞台「タイムトラブルバルコニー」感想

はい、感想です。いつもごとく~。

ちなみにこの作品はネタバレすると何も面白くないので、講演が終わってから上げる予定ですが「DVD観るのよ!今からよ!」みたいな人は観てから読んだほうが絶対に良いです。ネタバレしない程度に言える感想は「めっちゃ面白い」です。

以下の記事には盛大なネタバレが含まれます。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「めっちゃ雑に説明するとシュタゲ。」

後日一緒に見に行くみーさんに先に見た感想を、上記のように伝えると、

「1秒ごとに世界線超えてた?」

って聞かれましたwwww

郊外に佇む3階建ての小さなマンション、「コンフォート安楽」。

ここの住人たちは互いの顔も知らないが、日曜日の夜19時にベランダに出てきて

恋バナや仕事の愚痴などのとりとめのない話をするのを楽しみにしていた。

しかしある時、なんと彼らは5年ずつずれた時間を生きていることが発覚する!

過去や未来を変える力を手に入れた彼らは、

偏屈で厄介な大家さんの性格を変えようと試みるのだが…。

公式より。オリジナル舞台ということで、情報が本当にこれだけしかなく「こんなん絶対面白いじゃん!!!」って謎の確信をもって行ったんですけど本当に面白かったです。

テンポがめちゃくちゃ速いけど、その割にストーリーがすっ飛ばしてる感はなくて心地よかったな~。私一般でチケットを取ったので、3列目ド下手だったんですけど1995年の人の部屋しかのぞけなくて、それがちょっと悔しかったです。ど真ん中の後方から見たらいろんなものが見えるんだろうな~、と。

演者さんは基本的に自室のベランダ部分にのみ出てくるので殆ど顔が見えない状態で喋っています。セリフのみだというのに掛け合いが非常にテンポよくトントンと進むし、笑いが多く会場の雰囲気などは忙しい!という感じ。後半にかけてシリアス部分も増えますが、部屋の中での演技などちらっと見えた部分ではかなりグッときました。

最初、ベランダ部分には部屋番号のプレートが掛けてあるのですが、時間のずれが発覚してからその部分を年代(1995、2000…など)に変える演出があるのですが、めっちゃ好き~~~って思った。いやあれこそ劇場のライブ感って感じ。最近のプロジェクションマッピングやら現代的な演出ももちろん感動するし好きだけど、こういうのも廃れないで残ってほしい。演劇が生である意味がすごくあるなと思った。生きてる。

大家の安楽さんは一言で言うと「過干渉」。住人のすべてを把握し、管理や口出しすることが趣味のような人で、そんな大家さんの干渉をやめさせようと過去を変えて未来の状況をよくするのが住人たちの最終目標なんですが…。

過干渉が「趣味」ならと、趣味を変えるべく過去で競馬にはめてみたら未来でギャンブル依存症になってるし、2000年で猫を飼わせてみたら2020年には死んじゃって当たり強くなるし、踏んだり蹴ったり。笑

そんな中、過去を変えたことによって主人公が死ぬという世界線にたどり着いてしまいます。死を回避するべく議論を重ねる住民たち。掛け合いが早い早い。

最初は7時からの30分間ベランダの世界線が超えていましたが、過去を変えるごとに3分ずつ短くなることに気づく。

「話せなくなるのは嫌だから、もう過去も未来も変えるのはやめることにしようね」

という約束を取り付けた直後、302号室に住む主人公マルが少し先の未来で死ぬことを2030年に生きている304号室のブラックさんが知ることになってしまいます。

「おいお前ら、マルを助けるぞ!」

って意気込む彼らがかっこよすぎて、息止まるかと思った。

 

いい大家さんにするために過去改編をしたことが問題なので、5回変えた世界線のどれかがマルが死ぬ世界線に繋がっているという話なんだけど、1回目(公演2日目)に観た時よりも2回目(千秋楽2個前ぐらい)の熱量が高く…講演毎に上がっていったのかなとも思うし、やっぱりそっちの方が緊迫感がすごくて、マルを救えないまま最後の3分間が終わった時、オチ知ってるのにめちゃくちゃ泣いてしまった。

 

ちょっとコミカルに描きつつも、マルの死という重い題材をきっかけにみんなが一丸となり立ち向かっていく姿がとてもかっこよく、彼らは確か同じ建物に住んでいるだけで、顔も本名も知らないはずなのにここまで必死になれる友情って…それほどまでにいい関係を築ける時点でめちゃくちゃいいアパートだし、安楽さんは必要悪なのかもしれない。安楽さんのおかげで死なない世界線に居たことに気づいたマルが安楽さんにごめんなさいだかありがとうだかベランダでボソッと言うシーンがあるんですけど(うろ覚え)、なんかぐっときたな~。

 

うーん、結末を最後まで書こうか迷ったけどここでやめとく。DVDで何度でも見返したいほど好きだから、万が一見てなくて辿り着いた人がいたらぜひDVDで確かめてみてください。マルを助けるためにそれぞれが出来ることをした結果、もうなんか全部素敵だった。ブラックさん、よかったよマジで。笑

千秋楽にはサプライズ演出もあったと聞いて私も早くDVD観たい。届くの待ち。

 

オリジナル脚本の舞台を見るの久々だわ~って思ったけどもしかしなくても去年TRUMP見たんじゃねwwwww(私信)原作あるのももちろん好きだけど、オリジナルのわくわく感も大好き。また観たいなーと思える作品に出逢えて幸せでした。

キャスト・運営の皆様公演お疲れさまでした!

 

おわり~。